車(スピーカー)の前後方向に反射物がない場合
スピーカー(例えばSC-60)を2本自動車の前後方向に搭載した場合、その音圧分布は左図に示すようになり、車の前後方向に反射物がない場合はで示す位置でマイクロホンを使用すると最も良い結果が得られます。
また走行中は、前方には音の減衰が大きく、後方に聞こえやすくなり、この傾向は速度を増加させればさせるほど顕著になります。したがって走行中に拡声を行う場合は速度に注意してください。また車内でマイクロホンを使用する時に、窓を全て開放にした場合と、密閉した場合とでは約20dBの差があります。よって窓を閉めた場合、理論的にはこの差の分だけスピーカーから大きな出力が得られることになります。
車(スピーカー)の前後方向に反射物がある場合
下図のように反射物すなわち建築物などがある位置で放送する場合、リアスピーカーから出た反射音とフロントスピーカーから出た音が相互干渉し、上図の音圧分布はくずれ、また音質が低下します。 さらにこの音質の低下は車両と建築物の距離が約10m以上ある場合にはエコー(反響)となり、明瞭度が低下します。
エコーとは、ある音が直接聞こえた後に、ある物体でその音が反射されて、遅れて聞こえるものをいい、反射音が直接音よりも1/20秒以上遅れていると2つに分離して聞こえ、エコーになります。また、反射により音圧レベルの低い場所が無くなる為、ハウリングが生じ易く、大きな出力が得られなくなります。したがってこの場合は、反射物側のスピーカーからの音を止め、音が出ているスピーカーのできるだけ後方でマイクロホンを使用するようにします。